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私の市大20周年(13)芸術学部教授 藁谷実


私の市大20周年「卒業生のみなさまへ」

大学の創立と同時に日本画専攻の講師として着任し、1期生とともに教育と研究を始めるという希少な体験をいたしました。たった10人の1期生から授業が始まり今年で創立20周年を迎えました。

 大学は、ゆっくりと呼吸をするように新入生を迎えては卒業生を送り出します。教員も、定年や転勤で入れ替わります。人間の営みも自然の循環の中にあり例外ではありません。この大学で学生達と出会い、一定期間共に過ごしたことには不思議な縁を感じます。大学時代に学問を学び、絵を描き続けた体験は意識と無意識の間に深く沈潜し、時間をかけて醗酵し、各自の理念となっていくでしょう。それは様々な局面での判断の基準となり、人間を成長させ続けるでしょう。大学は、現役の学生、教職員、設備だけで完結しているのではなく、活躍する卒業生の存在が大学を輝かせると考えています。

写真は、創立間もない頃の学生が、いよいよ世間に向けて作品を発表する卒業制作展の準備をしているところです。

ホームカミングデー「活躍する卒業生展」の期間中、11月2日(日)14時30分より芸術資料館5階にて、5名の卒業生によるギャラリートークがあります。日本画専攻からは新生加奈さん(第5期生)が出演します。卒業生の皆さんにとって良い日になりますようお待ちしています。